1巻がサクッと読めて面白かった上、2018年春にはドラマ化するということで読めるものは読んでしまおうと思いさっそく2巻も借りてきました。
「居酒屋ぼったくり2巻」基本情報
著者:秋川滝美
出版:株式会社アルファポリス
発行:2014年10月15日
目次とあらすじ
働き者の包丁
常連のアキは普段は元気いっぱいの女性だけど、この日は落ち込んでいた。事務員である自分は、事務所の備品みたいなもので誰も見ていないし、評価もしてくれないと感じていた。しかしそんな彼女をしっかりと見てくれている人はちゃんといて・・・
トマトが嫌いな男たち
トマトが食べられないのは、八百屋のヒロシの息子や常連のイクヤ。彼らのトマト嫌いを直すのは美音の料理でした。
跡取りの憂い
風邪をひいてしまった馨のリクエストは「風邪ひきスープ」。風邪ひきスープは美音と馨のお母さんが、風邪をひくと決まって作ってくれた野菜たっぷりのコンソメスープ。これを飲んでゆっくり寝てれば風邪もすぐに治っちゃう。
彼氏の野球の応援に行く予定だった馨は、美音に代役を頼む。美音は馨の代わりにサンドイッチを作って応援に行く。
翌日、馨の彼氏・哲は美音に前日のお礼に店に訪れるがそこで、自分の両親の喫茶店が上手くいっていないことを相談した。
美味しい餃子の焼き方
結婚10年、子供が二人いるけど、まだ新婚当時のようにラブラブなのは常連ウメの息子夫婦ソウタとカナコ。ソウタは餃子が大好きだけどカナコはうまく作れない。町で会った美音に餃子の作り方のコツを教わり・・・
鉄板の上の想い出
想い出の食べ物は「現在」のものじゃない。誰かの想い出のとともにある食べ物を引っ張り出して、思い出話を聞きながら、初めての味を体験する。
満点と赤点
馨の彼氏・哲の両親がぼったくりに来店。両親の来店の目的はぼったくり繁盛の秘密を探ること。解決策を出したのはまたもや要さんで・・・
感想
2巻も面白かったです。特に印象に残った言葉があったのは「働き者の包丁」「鉄板の上の想い出」「満点と赤点」
「働き者の包丁」では自分の仕事は誰にでもできて、誰も評価もしてくれないと感じてしまったアキが主人公。アキは会社の後輩が英語の勉強がしたいというので、仕事を手伝ってあげていた。その後輩はその甲斐あって見事会社の指定する試験に合格し、アキを飛び越えて昇進していった。それを見たアキは自分が踏み台にされたと感じ、何の得意分野もない自分を卑下し、「会社辞めちゃおうかな~」と思ってしまいます。
会社はスペシャリストだけでは回らない。包丁で例えると、包丁は出刃包丁や牛刀、パン切り包丁など用途に合わせていろいろな包丁があるが、一番便利なのはどんな用途にも使える三徳包丁。三徳包丁がないと特に営業時間中は困ってしまう。そんな三徳包丁の役がアキである。誰でもできることをしっかりやる、これがとっても大事だとわかるお話でした。
この話を家庭生活に当てはめると、三徳包丁は家事にあたります。
毎日の食事の準備、洗濯、掃除、ゴミ出しや回覧板、子どもの世話などやって当たり前のことをしっかりと評価するのが家庭円満の秘訣です。
「鉄板の上の想い出」では『想い出の食べ物は「現在」のものじゃない。誰かの想い出のとともにある食べ物を引っ張り出して、思い出話を聞きながら、初めての味を体験する。』という言葉が印象的でした。
ストーリー中では鉄板とろろ焼き、鉄板やきそば、鉄板スパゲティーなどの鉄板料理が思い出の品として登場します。みんなの想い出を聞きながら食べるとおいしさも特別なものになります。
食べ物を食べることは想い出、ひいては文化を食べること。食べ物にまつわるストーリーを一緒に食べるから、食べることは単なるカロリー摂取ではなく、食事になります。
子どもたちにもたくさんの経験、ストーリー、想い出を食べてもらえるように、食事に気を付けていこうと思います。
「満点と赤点」は喫茶店再生のための営業戦略がキーワードです。そのために必要なのが「客層を絞り込むこと」
自分の店をどういう店にしたいのかを先に決め、それに合わない客は切り捨てる
コンセプトをしっかりと決めておくことが非常に大切。これを個人に当てはめるとコンセプトは自分の生きる目的に他ならない。
目的を最初に決めて、それに向かって目標設定をする。どんなビジネス書にも書いてあることだけどこれがなかなかむつかしい。
やり方は、まず今の自分が不安・不満に思っていること、そして「こうだったらいいな~」ということを書き出します。そして不安・不満を解消し、「こうなりたい」と思うことを実現することを目標にする、という手順です。
本当に自分を見つめなおせば、この作業でノートいっぱいになるんでしょうけど、これがなかなか重労働。自分を見つめることはとてもパワーのいることだからです。でもこの作業を定期的にしておかないと、自分がフラフラしてしまう。必ずやっておきたいことです。
自分の人生目的、目標を再設定し、今の不安を原動力により楽しい人生を送って行こうと思います。
登場料理とレシピ
今回も様々な料理が登場しました。ストーリー中に出てきた料理と作ってみたい料理のレシピを記載します。
登場料理
働き者の包丁
厚揚げ肉詰め、ジャガイモのそぼろ煮、野菜海苔巻き、スパニッシュオムレツ
トマトが嫌いな男たち
ナスとトマトのグラタン、冷凍プチトマト、ポテトパンケーキ
跡取りの憂い
風邪ひきスープ(ミネストローネ風)、サンドイッチ、豆大福、はんぺんの付け焼き
美味しい餃子の焼き方
焼き餃子(味噌だれ、酢醤油、塩コショウ)、水餃子
鉄板の上の想い出
梅干しの竹皮包み、鉄板焼きそば、鉄板ナポリタン、とろろステーキ
満点と赤点
鰯の生姜煮、鰯の煮付のムニエル、アサリニンニクバター
レシピ
厚揚げ肉詰め
①みじん切りにした生姜とニンニクを炒める。
②ひき肉を炒め、①と味噌、みりんを合わせ肉味噌を作る。
③厚揚げに②の肉味噌をいれ、弱火のオーブントースターで表面をじっくりと焦がす。
焼き餃子
①キャベツ・ニラは塩で揉んで水分を抜いておく。
②ひき肉に醤油・塩・胡椒・粉末鶏がらスープ・中華だし・生姜のしぼり汁・紹興酒・片栗粉を入れてこねてタネを作る。タネを餃子の皮でつつむ。
③アツアツに熱したフライパンに餃子を油をひかず直置きする。少し経ったら1カップの水に小麦粉大さじ1を溶かした液を入る。餃子にかからないように注意。火を中火に落として蓋をする。
④水が蒸発したら油を投入。餃子の間に油を流し込み、強火にして蓋をする。こげないように注意して完成。
味噌だれは、味噌をみりんと酒で伸ばし、砂糖と豆板醬を入れ寝り上げたもの。
とろろステーキ
①山芋をおろしとろろを作る。
②とろろに卵、万能ねぎ、紅ショウガを入れて混ぜる。
③熱した鉄板(フライパンでも可)に②をいれて焼く。
まとめ
2巻では要さんにちょっとずつ惹かれている美音さんが描かれていました。まだまだ先は長いので楽しみに読んでいこうと思います。