我が国の住宅環境の変化に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。(第43回)
- 新規住宅供給に偏った政策や少子高齢化の進展などにより、総務省の調査によると我が国では、1960年代より総住宅数が総世帯数を上回る過剰供給状態が続いている。
- 平成25年度住宅・土地調査によると空家数は820万戸となり、空家率も平成25年には13.5%と、空家数、空家率ともに過去最高となった。
- 住宅ローンアドバイザーとしては、新築住宅のみならず、既存住宅流通市場にも目を向け、消費者にとって無理なく住宅を取得できる最善策を提案することが求められる。
- 我が国の1世帯当たりの住宅数は年々減少しており、これまでの賃貸住宅重視から持ち家促進への政策が検討されている。
- 少子高齢化が進行している術悪ストック数が世帯数を上回り、空き家の増加も生ずる中、「いいものを作って、きちんと手入れをして、長く使う」社会に移行することが重要であり、政府は既存住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進めている。
解答:4
細かい数字はわからなかったけど、④が「賃貸住宅重視から持ち家促進への政策が検討」という明らかに間違っている選択肢があったので回答できた。
①②の選択肢に関しては下記、詳しく調べてみる。
①総住宅数と総世帯数の推移
総住宅数と総世帯数に関する統計は総務省統計局にデータがあります。
総務省統計局の調査によると、調査は昭和23年からスタートしているので戦後の住宅事情が分かるデータになっていました。5年ごとの調査であり、2018年末において最新のデータは平成25年10月1日の調査結果でした。
2019年1月の住宅ローンアドバイザーの試験では、平成30年の調査結果はまだ反映されていないと思われるので、平成25年10月1日時点でのデータで出題されると思われます。
総務省統計局の調査結果の概要には
総住宅数は6063万戸,増加率は5.3%
平成 25 年 10 月1日現在における我が国の総住宅数は 6063 万戸,総世帯数は 5245 万世帯とな
っている。平成 20 年と比べると,総住宅数は 304 万戸,5.3%,総世帯数は 248 万世帯,5.0%,
それぞれ増加している。また,第1回調査が行われた昭和 23 年の総住宅数は 1391 万戸であった
ので,その後の 65 年間で約 4.4 倍に増加している。
昭和 38 年以降の5年ごとの総住宅数の増加率をみると,38 年~43 年,43 年~48 年は 20%を
超えていたが,48 年~53 年には 14.1%と 10%台に低下した。その後,8~9%台で推移したが,
平成 10 年~15 年には 7.3%,15 年~20 年には 6.9%,20 年~25 年には 5.3%と低下している。
また,総世帯数の増加率をみると,昭和 38 年~43 年の 16.0%から,平成 20 年~25 年には 5.0%
と低下している。
との記述があります。
なお、最新のデータは総務省統計局のHPの統計データから確認できます。
50音順検索にて「住宅・土地統計調査」→「調査の結果」→「結果の概要」→「結果の解説」→「総住宅数と総世帯数」にて確認することができます。
平成30年の調査結果は2019年2月末頃発表されます。
②空家数、空家率の推移
このデータも①と同じく総務省統計局にデータがあります。
平成25年の調査結果によると総住宅数は6063万戸であり、平成20年の調査時よりも305万戸、5%増加しています。
それに対し空き家数は820万戸であり、平成20年度63万戸、8.3%増加している。
空き家率の上昇スピードは少し弱くなってきているようにも見えますが、今後空き家が目に見えて減る要素もなく、人口の減少などを考えると空き家数・空き家率が低くなる見込みは持てませんね。
しかし13%以上も空き家だとは・・・賃貸不動産経営にはちょっと暗くなるお話ですね・・・