不動産投資セミナー

不動産投資セミナーに行ってきた。空室対策&税金対策をお題目にし、(株)オーナーズスタイル主催の無料セミナーだ。共催は(株)アルバホームという大阪本社の建設会社で3か月1回、新賃貸を提唱している石川龍明氏と税理士の花村一生先生を招いてお話を伺った。

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セミナーは4部形式で、最初が石川龍明氏の空室対策、次いで共催の(株)アルバホームのPR、その後税理士花村一生先生の税金のお話で、最後が個別相談、という流れ。

新賃貸ペンタグラム戦略

石川龍明氏は賃貸経営を航海に例えている。保有物件を船、経営戦略を海図、具体的な行動計画を羅針盤、戦略・羅針盤の作成するのに必要なペンタグラムという感じだ。ペンタグラムというのは星形マークのこと。

石川龍明氏は不動産経営には

  • 2枚の海図
  • 2つの羅針盤
  • 25枚のペンタグラム

が必要だと言っている。

 

今回のセミナーでは二つの羅針盤の一つについて。

セミナー時間が1時間と短かったため全体的な話は聞けなかった。

激変する賃貸不動産経営

これまでは賃貸不動産のライバルは、他の賃貸不動産だった。

それがここ最近変わってきているという。

 

そもそもの発端は民泊の法規制、民泊新法だ。

今までは取り締まる法律が整備されていなかった民泊だが、法整備も進んできて180日ルールが定められた。

 

180日ルールとは民泊の最大営業日数を180日に制限するというもの。

この180日ルールにより、民泊による収入が半年見込めなくなるのだ。

 

となると当然、経営者は次の手を考える。

それがマンスリーマンションだ。

ちなみにホテル業法の改正で、ウィークリーマンションはホテル、マンスリーマンションは賃貸住宅という住みわけが確立された。

 

この民泊営業期外のマンスリーマンションが賃貸住宅のライバルとなりつつある。

東京の例でいえば、これまで1か月30万円で賃貸に出していた部屋のライバルにマンスリーマンションが台頭。民泊の経営者は180日ルールにより営業できない半年を格安マンスリーマンションとして賃貸にだす。その価格が1か月30万円の部屋と同程度のグレードで1ヶ月15~16万円くらい。

この価格に引きずられ家賃の下落圧力が高まっているのだ。

 

手持ち物件は毎年古くなる。それに対し新築の物件は増えていく、新しいライバルの出現。賃貸不動産の経営は年々むつかしくなっている。一昔前のように物件を持っていると何も考えずにお金が入ってくるという時代は終わったのだ。

賃貸不動産経営は不労所得と言われるが、それは過去の話。今の賃貸不動産経営は個人であっても真剣に物件と入居者、市場に向き合い、労力をかけないと成功できないのだ。

セミナー内容:羅針盤について

石川龍明氏は賃貸経営の実行手段として2つの羅針盤を用いるといっている。

羅針盤は具体的な行動目標・予定だ。

 

ペンタグラムなのでそれぞれ5つの分野に関して考えている。

一つ目の羅針盤

  1. 空室対策
  2. 満室対策
  3. テナントリテンション対策
  4. ウェイティング対策
  5. 安定経営(ゴール)

二つ目の羅針盤は

  1. リサーチ
  2. ターゲット
  3. コンテンツ
  4. リーシング
  5. オペレーション

 

今回のセミナーではこのうち二つ目の羅針盤についてのさわり部分を伺った。

とは言っても今回は本当に一部分だけ。

時間も短かく無料なので仕方がない・・・

管理会社が変更される理由

オーナーが管理会社を変更したいと考えるには次のような理由がある。

  1. リーリング力(客付け力)がない
  2. リサーチができない
  3. 管理力不足
  4. オーナーとのコミュニケーション不足
  5. 決断力不足

 

この中で説明が必要なのは②リサーチできないと⑤決断力不足。

リサーチ力

リサーチとは自分の物件がある土地が現状どうなっているか、5年後10年後15年どうなっていくかを考えること。

これをするのに石川龍明氏は自身が所長を務める(株)横濱快適住環境研究所で市場環境調査を行ってる。

 

この調査では、周辺の間取り別家賃相場、男女・年代別人口統計、周辺施設、ハザード情報などその土地の建築以外の情報を調べてくれる。

主に新築で、どのような物件を建てるのかを判断するときに使うものだが、今回私は既存物件の今後を見通す上で調査を依頼した。

 

レポートは50ページにおよぶそうなので、完成を楽しみにしている。

このレポートの内容によっては大阪の物件の売却も視野に入れようと思う。

 

このような分析というのは非常に手間がかかるので、リサーチが出来ない管理会社が多い。

リサーチが出来ないからリーシング(入居付け)において的確な方針が打ち出せない。

それが管理会社への不信となって、管理会社変更につながりやすいとのこと

決断力

決断力不足というのは、管理会社の担当者が逃げの姿勢を見せること。

リーシングやリノベーションにおいて何かの施策を打つとき、「やってみなければわかりません」と責任回避の態度をとることだ。

まぁ実際にはその通りなのだけど、自信をもって提案してもらわないとオーナー側も物件を任せられないと思うのは当然。

 

たとえ管理会社の担当者がサラリーマンでも、自信と根拠をもって対応してもらいたいと思うのは仕方のないことだ。

当然オーナー側もスキルアップし、担当者に対し何をしたいのかを的確に伝えなければならない。

税金対策で不動産を買うのは間違い

税理士の花村一生先生のセミナーで印象的だったのはこれ。

税金対策で不動産を購入するのは間違い。入口が間違っているだから成功するわけがない!

 

この発言にはセミナー会場がざわつきました。

他のセミナーや銀行からは節税目的で借金をして不動産を買いましょうと聞いているからだ。

 

私の会社の他部署の上司も同じことを言っている。

その上司が不動産は家賃収入を得るものではなく、相続税対策のために行うものだといっているのを聞いて、耳を疑った覚えがある。

なので花村一生先生の発言には、胸のつかえがスゥっと取れた感じがした。

 

他にもいろいろエピソードは出たのだが、細かい話も多く、まとめづらいのでここでは割愛する。

セミナーまとめ

今回のセミナーのメインメッセージは次の二つ。

  1. 賃貸経営は不労所得ではなくなった!
  2. 不動産は税金対策で買うものではない!

ということ。

 

賃貸経営の流れが変わった。昭和の時代の住居が少なかったころと、空き家が社会問題になっている令和の時代では、オーナーも時代に即した考え方、戦略を持たたないといけないのは当然だろう。

私も一オーナーとして時代の流れに沿った行動をしていこうと思う。

まずは所有物件をもっと頻繁に訪れて細かい声やサインを見逃さないようにしよう。

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